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寝て起きても悪夢が続いてた

まさかこんなことになるとはほんとに思ってませんでした。

未だに信じられないけど、受け入れるしかない。ホワイトハウスにあんなのが大統領として居座るとは…。

今日は職場もお通夜で、涙目で色んな人とハグしてるうちに一日終わった。
幸い、ブルーステイトと呼ばれるリベラルなカリフォルニア州の中でも特にプログレッシブなサンフランシスコ・ベイエリアに住んで、更に職場も全体にヒラリー支持というか反トランプなので、ストレスとショックを皆で共有できるのはありがたいです。
傷心の社員の心のケアのためのサポートをする用意があるっていうメールが、社長と人事と他の部署のトップから合わせて4、5通きてた。

でもそんな中でもトランプに投票した人はいるんだよね…。
白人60代女性。高学歴であることを除けば典型的なトランプ支持層の同僚。
チャイニーズアメリカンの同僚は彼女を蛆虫を見る目で見てましたし、まあ今日だけはそれも無理ないかもだけど、それが答えじゃないよね。

誰に投票するかはその人の権利であり義務。
それを今さら責めたところでどうにもならないし、むしろなぜこうなったかを考えて4年後のホワイトハウス奪還に向けてなにができるかを考えるべき。

今回の個人的な反省点としては、予備選であまり深く考えずにすんなりヒラリーさんを選んだこと。

バーニーさんだったら勝てたかもしれない。彼は現職の上院議員だけど、民主党上層部から露骨に足を引っ張られていたこともあって、トランプと同様、ワシントンのエスタブリッシュメントではなくアウトサイダーと見られていた。だから彼だったらブルーカラーワーカーと呼ばれる労働者層を取り込めたかもしれない。
確かご本人も予備選の前にそう主張されてました。余りにリベラル過ぎて絶対に保守層の票が取れないって言われていたけど、それは逆だと。だからこそ、貧困層に訴えかけることができるって。

それにユダヤ系だけど一応(?)白人で男だしね…( ̄▽ ̄;)

って、シニカルになってる場合じゃない!

それに彼自身のポリティックスはトランプと真逆で、当選しててもすんなり支持できたし、オバマ大統領の敷いた路線を基本的に踏襲してくれたはず。

こうなって何が悲しいって、オバマ大統領が下院にことごとく政策をブロックされてもこれだけ頑張ってきたのに、その8年間のすべてがあっという間にひっくり返されてしまうだろうこと。

色々と欠点もあったオバマケアですけど、それまで保険のなかった人や、高い保険料を全額自分で払っていた人に取って救いの手だったのは確か。
ご夫婦で小さなショップを経営している方の場合、以前は月に15万円近く保険料を払っていたのが、今はオバマケアに入ることで負担額が1万円以下になってるそう。
女性のヘルスケアに掛かるコスト負担も減ってる。ピルもただになったし、乳がん等の予防のための検査費用も以前と違って自己負担がゼロになった。

真っ先にオバマケアを潰すって宣言してましたからね…
胃が痛い。けど病気になったらマジお終い。

でも実はそれどころじゃないかもしれない。
なんせ民主党が上院で過半数を取れなかった。ということは、トランプが亡くなったスカリア判事の空席を埋める最高裁判事を指名すれば、それがすんなり上院を通るということ。
スカリア判事(超保守派、同性婚にも最後まで反対)が亡くなった時は思わずガッツポーズで友人とハイタッチした私ですが…今となっては…。
しかも貴重なリベラル派の判事のうちの一人、ルース・ギンズバーグ判事は現在83歳。
過去に2度の癌治療を乗り越え、2年前には心臓の手術も受けておられる一番健康面が心配な方です。
オバマ大統領が代わりの判事を指名できるうちにリタイアしていただきたかったというのが本音。
でもこうなったからには最低でも4年は頑張ってもらわないと!

スカリア判事の代わりが保守派になるとして、よほど酷いのでなければ(それだけは上院で死に物狂いでブロックして欲しい)、保守とリベラルのパワーバランスは以前と同じなのでまあそこまで恐ろしいことにはならないだろうと希望的観測を持つわけなんですが、もしリベラル派の判事が保守派と入れ替わって、更に最高裁が保守に傾いたら…。

それこそ女性のヘルスケアどころか女性の権利そのものが奪われることになりかねない。

現在アメリカで「女性の選ぶ権利」(中絶の権利)が与えられているのは、1973年最高裁の判決によって。アメリカ人ならRoe v. Wadeと言えばそれだけで何のことかわかる有名な判例です。
もし最高裁がこれ以上保守に傾けば、かつてアメリカの女性たちが、文字通り血を流して勝ち取ったこの権利すら奪われかねない…。

もちろん同性婚に関しても同じこと。現在アメリカ50州全てで結婚の平等が認められているのも昨年の最高裁の判決によるもの。トランプは既にこれをひっくり返すと言ってます。ブッシュは合衆国憲法で同性婚を禁じようとして失敗したし、さすがこれは阻止できると思うけど、でもこうなると楽観はできない。まさかと思ったことが起きるのが今の状況ですからね…。

大体、あれがホワイトハウスに居座るのが一番のまさか…><;

まあそんなことになりそうになったら、ワシントンに行きます。もうすでにトランプ当選に対する抗議デモがあちこちで起こってますけど、そうじゃない。まして暴動は答えじゃない。
選挙で公正に選ばれた人間は同じ方法で止める。そして引きずり下ろす。それが民主主義の法治国家だし、そうでなければアメリカの存在意義はない。
そして抗議するなら政策に対して。
そもそも投票にも行かなかったような奴らが暴れたいだけの理由で暴動を引き起こしてもね…。

それよりまずは2年後。最低でも上院は取り返す。あわよくば下院も。そしてその間、地元選出の議員にプレッシャーを掛け続け、トランプが指名する最高裁判事を、穏健派の共和党員を味方につけるとか議事妨害(filibuste)など、あらゆる手を使ってブロックしてもらう。

そして4年後。今度こそ皆が誇りに思える人間を大統領に選出する。

こんな感じですかね、逆襲プランとしては?

後、ヒラリーさんの問題は受け身に回ったことかなとも思います。
一番それが顕著だったのが副大統領候補のチョイスね…。まあ、ヒラリーさんがハッピーならいいかと思ってましたけど、それじゃダメだったんだよやっぱり。

私はコリー・ブッカー氏(オープンリーゲイでアフリカン・アメリカンのNJ選出の上院議員)だったらいいなと思ってたし、まあVPのチョイスで結果は変わらなかったかもしれないけど、でも少なくとも保守層に擦り寄ることなく、断固マイノリティのために闘う姿勢は見せられたと思う。

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(オバマ大統領とコリー・ブッカー議員。この二人の間での政権交代だったらどんなによかったか…)

4年後は彼でもいいよね(*´▽`*)

でも新しくカリフォルニア選出の上院議員に当選したカマラ・ハリス氏(インド移民の母とアフリカン・アメリカンの父を持つ、現カリフォルニア州司法長官で検察官時代からゲイライツを支持)も押したい。
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どうしても白人の男がいいなら現カリフォルニア副知事のギャビン・ニューサム氏(サンフランシスコ市長として2004年に同性カップルの結婚を認め、そこから全てが始まった)でも問題なし。
333Gavin.jpg


とにかく立ち止まって泣いてる暇なんてないし、できることを一つ一つやっていくしかない。

このままでは終わらせませんよっ!!

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2016/11/09 22:15 | ニュース・その他COMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

もうすぐ選挙!

2016年の大統領選挙のカオスっぷりについては日本でもニュースになっているらしいので、ここでは一言だけ。

選挙権のある人は今すぐヒラリーさんに投票!!

ここへきてまたトランプとの差が縮まってきているとかどんな悪夢なのか…?

この期におよんで誰がトランプ支持なのかってのがほんと疑問ですけど、実は割とあからさまというか…やはり白人層が女性も含めてトランプ支持なんですよね。この国の人種間の溝は思ってたよりずっと深かった…っていうのはだけど考えても暗くなるだけなので、今回は自分のためのメモ書きです。

カリフォルニアのプロポジションについて真剣に考えてみた。

オバマ大統領が彗星のごとく現れて大統領選を制した2008年、今は亡きプロポジション8(Prop 8)が住民投票によって過半数を獲得、その後2013年に最高裁の判決でDOMAの第三条に違憲判決が出るまでの5年間、カリフォルニアで同性婚を禁じる法令が成立してしまったのはご存知の通り。

大統領選の行われる年、特に今年のように8年の任期を務めあげて大統領がホワイトハウスを去る年の選挙は注目度も半端なく、投票率も上がるので、それを見越して地方レベルでもここぞとばかりに様々な条例の成立を目指してballotと呼ばれる投票用紙に沢山のPropositionが提示されます。

2008年当時の日記を読むと(ブログ書いててよかったとこういう時ほんと思うw)、あの時の選挙ではProp 8を含め12のPropositionに投票しなくてはいけなくて、143ページもあるballotの資料(インフォメーションガイド)にひえぇーとなっていたのを思い出します( ´艸`)

それから8年、今年もまた大きな注目を集める選挙の年がやってきたわけですが…

なんと今年はカリフォルニアのPropositionが17もあるー!!
2008年より5つも多くなってるってどういうこと?!
しかもballotの説明書きが脅威の223ページ…( ;∀;)
相変わらずの細かいフォントでびっしり、Prop 51から67まで、計17のPropositionについて賛成・反対意見がこれでもかと列挙されています。

いや、これを全部読めって?正気っすか?!

ムリ…これ全部読んで理解するとか絶対ムリっ…!!

ということで、今回は17のPropositionについて、まずスポンサーは誰かを調べ、煙草カンパニーとか製薬会社が支持もしくは反対するものとは逆に投票するというやり方を基に、地元の新聞その他を参考に考えてみることにしました。(こちらとかこちらも参照)
でまあ、せっかく半日潰して考えるので、またブログに記録しておくことにします。

今回はProp 8のような世界的に注目を集める条例はないですが、それでも民主党の大統領候補だったバーニー・サンダース上院議員がわざわざカリフォルニアの選挙に乗り出してProp 61支持を訴えるなど、今後他州にも影響が広がりそうな大切な条例がいくつかあります。

そうかと思えば、AV(アダルトフィルム)俳優のゴム着用条例とかにも投票しなくちゃいけないという…( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

ということで、もし興味(とお暇;)のある人がいらっしゃいましたらどうぞ(*´∀`)

※一部背後に注意な画像もありますが、内容はいたって真面目(で詰まんない;)です。


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タグ : カリフォルニア選挙

2016/10/30 20:30 | ニュース・その他COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

この画像のために殺された人はいません

いずれサイトの方で拍手のお礼に載せようかと思ったんですが、さすがに公式拍手サイトにこの画像を載せていいものかどうか悩み…汗

ブログの方でご紹介させていただくことにしました^^

背後に激しく注意ですが、萌えは多分ありません…?


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タグ : 宗教エロジョーク

今日の選挙とか

今年はもちろん11月にアメリカの大統領選挙があります。

同性婚支持を表明したオバマ大統領vs同性婚に反対の立場を変えないロムニー候補、ということで、ゲイライツに関しても重要な選挙であるのはもちろんですが、他にも女性をはじめ、様々なマイノリティや貧困層にとっても自分達の権利を守るための大切な選挙になります。

その大統領選に次いで今年最も重要な選挙と言われ、アメリカ中が注目した選挙が今日、ウィスコンシン州で行われました。

ウィスコンシン州の現知事、共和党のスコット・ウォーカーのリコール選挙。
317scott walker

ウォーカー州知事は2010年の秋に当選すると、2011年の3月に財政再建のためと称して、州の公務員の団体交渉権を大幅に削減する法案を通し、州を挙げての大規模な反対運動を引き起こした張本人。

アメリカでは教員や警察、消防等を含む、公務員の労働組合はまだ力を持っていますが、一般の会社組織では組合のあるところは少なく、現在も減る一方です。

つまり、公務員から組合活動の権利を取り上げれば、実質、州には組合も労働権も存在しなくなるというわけ。

選挙前には一切そんなことに触れず、当選するといきなりそれをやったウォーカー知事を罷免すべく、ウィスコンシン州では100万人近い署名を集め、今回のリコール選挙に漕ぎ着けました。

なのに結果は…。

ウォーカー州知事の勝利に…涙


2010年に最高裁が“Citizens United”において、「直接」候補者と関係のない団体であれば、その政治献金に上限を設けない、という最低最悪の判決を出して以来、スーパーPACと呼ばれる政治団体が作られるようになり、そういった組織を通して、桁外れの金が選挙に流れ込むことになりました。

オバマ大統領がその後の一般教書演説で、最高裁の判事を目の前にして、大企業を利するこんな法律を通したことを恥じるべきだ、と厳しい叱責をしたのを覚えています。

でも全ては後の祭り…。

今回も共和党のウォーカー知事を守るために、60億円とも言われる、小さな州の知事選では考えられない額の金がウィスコンシンに注ぎ込まれました。

まず大企業の利益を優先し、「小さな政府で(金持ちへの)減税」をモットーにする共和党に対し、民主党の主な資金源は各州の労働組合が基盤となっているそうで、ウィスコンシンで民主党の基盤が消えた以上、これから民主党がウィスコンシンで選挙に勝つ見込みはまずなくなったと言っても過言ではないそう。

前回の選挙ではオバマ大統領はウィスコンシン州で勝っていますが、こうなった以上、今年はもう…;

しかも共和党の知事、または議員が議会を支配する州では、同種の法案を通す動きが続いていて、ウォーカー判事の罷免の失敗に終わったことにますます勢いを得そうです。

フロリダでは、ラティーノをターゲットにした有権者の投票権の剥奪が続いていて、れっきとしたアメリカ市民であり、これまでに何度も投票を行ってきたフロリダ州民が突然、自分が選挙権を持つことを証明するように求められています。既に18万人以上がその対象になっているそう。

フロリダ州のスコット知事は共和党。ラティーノの有権者は全体として民主党支持が多く、オバマ大統領に投票する確立の高い有権者がハラスメントを受けていることになります。司法省は既にスコット知事にこれを止めるように警告を出していますが、果たしてどうなることか…。今年の大統領選まで現状維持で粘る可能性が高いですね…。

ロムニー候補はウィスコンシンの選挙結果を受けて、

「これはウィスコンシンに止まらず、アメリカ中に影響を及ぼすだろう。」

とコメントしたらしいですが、残念ながらその点に関しては彼の言うとおりだろうと認めざるを得ません。

これから先、労働者、特に弱い立場にある低所得層の権利がどんどん奪われ、それに対抗する手段が何一つなくなるということになってしまうのか…。

そんなことにならないためにも、ウィスコンシンはとても大事だったのにっ…(><;)


唯一、明るいニュースと言えば、Prop 8連邦裁判の上訴を受けて、連邦裁判所が審議のやり直しを拒否したことですかね。

既に2回もダメ出しされたにも関わらず、しつこく連邦裁判所に再審を求めた同性婚反対派ですが、

「いや、Prop 8は違憲だし、もう審議する必要もないから。」

という感じで拒否られました。

こうなると次は連邦最高裁というわけで、いよいよ同性婚の問題は、司法での闘いにおける最終局面を迎えることになります。

同性婚の問題に関しては、もちろんこのProp 8裁判の他にも、DOMAも連邦裁判所で違憲の判決を受けていて、どちらも次は最高裁での審議になります。

タイミング的にどちらが先に最高裁へ行くのか、最高裁はどちらを審議することを選ぶのかは、かなり微妙なところ…。でもどちらにしろ、これだけ注目されている裁判だけに、最高裁が審議を拒否することはまずありえないと思われます。

ただ、共和党指名の裁判官が過半数を占める最高裁だけに、審議されてもその結果がどう出るか、これまでのようには楽観視できませんが…。


って、全く明るい話がないですね;

では最後に間違いなく明るいトピック。

イギリスのオリンピック選手の皆様のヌード画像へのリンクを貼っておきますので、背後に注意でご覧になって下さい♪

オリンピック選手の見開き

自転車はちょっと痛そうかも…(^^;

タグ : ウィスコンシンスコット・ウォーカーリコール同性婚

2012/06/05 21:37 | ニュース・その他COMMENT(7)TRACKBACK(0)  TOP

飛躍の年

あの震災から1年。こちらでも被災地の様子がTVのニュース特集やネットを通じて報道され、今日はサンフランシスコでもチャリティコンサートが行われました。

312japan msnbc

312japan cbs

312japan cnn

あの日は夜、10時前に呑気にシャワーして寝る準備をしていたら、「日本で何かあったらしいよ。大きな地震みたい。」と友達から連絡があって、「まさか…」と思いながら家に電話してみたら繋がらず、その後も全く電話が通じなくて軽くパニックになりました。

アメリカのニュースではどこで何があったのか直ぐには具体的な報道がなく、ちょっと経ってからようやく日本のニュースをネットでチェックするという基本的なことを思いついて、震源地が東北だったということを知ったほどです。

その後は普段は有料の日本語TVが無料で放送される等(TV Japan様、震災後の1ヶ月間ありがとうございました!)、こちらでも日本のニュースがリアルタイムで見られるようになりましたが、流れてくる映像の余りの衝撃に言葉を失い、原発事故に関する日米の報道の落差に混乱し、意味不明な政府や東電の発表への怒りをブログで垂れ流すということをやってしまいました。

そういうことを書くよりも、笑いと萌えを提供させて頂いた方が少しでも読んでくださる方の気分転換になると思って、色々と考えせられるコメントを頂いた後はサイトの再開に集中することにしましたが…。(あの時は実はブログごとサイトも炎上か?と思っていたんですけど(汗)、お友達ブログの管理人様からの励ましや、皆様からの拍手やコメントに支えられて何とか続けることが出来ました。改めてお礼を申し上げます。)

それと主に東京近辺にお住まいの管理人様方ですけど、当日の帰宅の大変さや、ご自宅で経験された地震の揺れの酷さ、その後続いた余震の影響等を書いて下さってありがとうございました。

女性の視点から体験されたことを読ませて頂いて、色々と考えさせられることが多かったです。

ブログには特に書きませんでしたけれど、カリフォルニアもいつ地震が来てもおかしくありません。実際にあの津波で港に停泊中のボートが損傷する等の被害も出ていて、あの震災の後、改めて地震の際の対応を考えるといったニュース報道や特集が多く組まれ、Disaster Preparedness「防災準備」やEmergency Preparedness「緊急時の防災準備」等のクラスが開かれていました。

私もそういうクラスを受講して、手動式のラジオや1年腐らないお水等々を入れた避難用バッグを準備。後は地震後24時間以内に地元で救済センターを立ち上げるという想定で、電話オペレーターの訓練なんかも受けました。

そもそも電話が通じるのか?っていうのは疑問ですけど、電話でなくても何らかの通信手段があるところにとにかく情報センターを設置して、被災の状況を把握するところから始める。それには動ける人がまずボランティアとして動くというのが大事ということでトライしてみました。

でも訓練とは言え、「被災者」の方から「頼んだ毛布がまだ来ない。」「懐中電灯はどうなった?」「倒壊した建物に生存者がいそうだから様子を見に行きたい。応援はまだか?」等の電話が矢継ぎ早にあると、それに対処するのは難しくかったです。メモを取って相手の連絡先、名前、場所をきちんとフォームに書き込むだけのことにも抜けが多くて、そうなるとせっかく情報を入れてくれた方に連絡が返せない、物資があってもどこに届けていいか分からないという状態になるわけで、参加はしてみたものの、正直、こういう訓練はとても1日や2日ではムリだと思いました。

かと言って、行政が動くのを待っていたらいつ本格的な救助がくるのかわからないのはどこの国も同じ。まず自分が住んでる市の防災対策がどうなっているのか、どんな人が緊急時に動いてくれるのか分かっただけでも参加してよかったと思っています。

後はカリフォルニアに原発が4基しかないというのも初めて知りました。北と南カリフォルニアにそれぞれ一箇所、2基づつ。(もちろん4基ある、という言い方をする人もいます。)

アメリカの人口の12%を抱え、GDPではイタリアに続いて8位というカリフォルニアでこの原発の少なさを可能にしているのは、でもグリーンエナジーを推進してきた…という綺麗ごとだけでは残念ながらありません。

数年前にアリゾナ州がメキシコ系移民を対象にした人種的プロファイリングを可能にする法案を通した時、LAをはじめとするカリフォルニアの市がそれに真っ向から抗議しました。アリゾナの製品をボイコットするという抗議運動に、でもアリゾナはシンプルに答えます。

「じゃあカリフォルニアへの電力の供給を止めるよ。」(LAは水も買ってるらしい。)

それ以降の抗議運動がなし崩しになったことを考えても、カリフォルニアの他州からの電力供給に頼らざるを得なくなっていることは明らか。

夏の間はRolling Blackoutと呼ばれる計画停電がありますし、病院等の施設を優先するため、オフィスのACが止められることも。

うちにはそもそもACすらありませんが、節電・節水は生活の基本になっています。日照時間だけは長いので、ソーラーがもう少し簡単に安く取り付けられるようになれば、もしくは他に電力に変わる何らかの方法があれば直ぐにも変えたいし、Alternative Energy「代替エネルギー」の開発は、それが政治的決断にさえ影響を及ぼす以上、緊急課題だと思います。

グリーンエナジーと言えば、シリコンバレーでは、この震災からの復興を日本にとっての大きな転機、そして新たなる飛躍へのチャンスと捉えているという記事もありました。

こちらの記事には震災後、大企業で職を保証される暮らしではなく、グローバル企業を立ち上げるという全く違う夢を持ってシリコンバレーにやって来た日本の新しい世代の起業家達のことが書かれています。

ソニーやパナソニックなどの日本を代表するべンチャーが創設されて以来、経済発展を遂げた日本からは起業スピリットが消え、日本人はリスクを避けて、終身雇用を求めるようになったと言われ、2010年のGEM(Global Entrepreneurship Monitor)の調査報告では、起業促進という点で日本は22の先進国中、最下位にランクされていたそうです。

でも今や、20年に渡って続いた不況、そして減り続ける人口、そういう中で起こった震災や津波、そしてそれに続いた原発事故が、30前後の若い起業家達に、自分自身の手で先の見えない未来を切り開くという決意をさせたと地元の起業家は見ています。

東京にあるスタートアップ支援プログラムを運営する“Open Network Lab”では、震災後にこれまでと全く違う応募者が増えたそうです。

震災前には、大学新卒者やフリーランスのプログラマーが多かったけれど、今は大手のインターネット企業から仕事を辞めてでも参加したいという人が来るようになった。安定した仕事を求めていた人も、震災でこの先が分からなくなり、ある意味目が覚めたようになって、自分の生き方について考えるようになったのだといいます。

2年前にスタートした“Open Network Lab”の最初のクラスには47人の応募がありましたが、この1月にスタートした4期目のクラスには100人近いチームが応募したそうです。

日系アメリカ人のウィリアム・サイトーさんはIMPACT Japanの設立者の一人で、海外で起業について学ぶための奨学金を提供しています。これまでに30人の起業家の卵達をシリコンバレーで研修させ、グローバルビジネスについてのノウハウを提供してきましたが、ようやく起業トレンドが日本に復活してきたようだと語っています。

こちらの記事では、日本のグリーンテクノロジー、そして新しいIT技術への今後の需要に、シリコンバレーの企業がその技術やノウハウを提供できるとして、東北の復興の一環としてグリーンエナジーをベースにした未来型の都市建設まで視野に入れて語っています。

日本が石油危機を経験して新たな技術開発を行ったことを例に挙げて、「必要は発明の母である」という言葉を使った、アメリカのビジネス界の日本への期待が伺える記事もありました。


もちろん震災からたった一年では、地元の方々にはまだ一日一日が大変な日々だと思います。

でも世界は東北を、そして福島を決して忘れません。

私に出来ることは本当に何もありませんが、改めて亡くなった方々のご冥福をお祈りすると共に、地元で困難に直面されている方々に心からのエールを送らせていただきたいと思いました。

312pray for japan

今年が日本、そして東北の皆様にとって、発展と飛躍の年でありますように。祈ります。

2012/03/10 23:30 | ニュース・その他COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

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