プロムには好きな子と行こう☆
アメリカ映画によく登場する高校のダンスパーティ、プロムのことは皆さんご存知ですよね?
男の子はタキシードをレンタルして、女の子もドレスを買って、それぞれのデートの相手と学校側が主催するダンスパーティにお出かけするというもの。
高校最後のシニアプロムは特に大事なイベントで、デートの相手を決めるのに大騒ぎ。
そんなプロムにタキシードを着て出席、自分の彼女をエスコートしたいと学校側にリクエストしたのが、コンスタンス・マクミレンという18歳の女の子。
でもコンスタンスさんが住んでいるのは、保守的なことで知られる、ディープサウスと呼ばれるアメリカ南部のミシシッピー州。
学校側は彼女のリクエストに対し、「女の子がタキシードを着るのを許したら、男の子がドレスを着るのも認めなくちゃいけない。」という意味不明な理屈で、彼女がタキシードを着ることを拒否。手を繋いだりキスしたり、スローダンスを踊ったり、他の生徒を嫌な気持ち(uncomfortable)にするようなことをしないなら、ガールフレンドをつれて来ても良いと答えたそうです。
「自分のプロムでゲイでない振りをするなんて嫌。」
というコンスタンスさんに、学校側はプロム自体をキャンセルするという強硬手段に出ました。そしてタキシード姿の彼女の写真を学校のイヤーブック(卒業アルバム?)から削除したのです。
アメリカ自由人権協会が彼女のために学校側を訴えましたが、連邦裁判所の判事は学校側が彼女の人権を侵した(violated)ことは認めたものの、キャンセルされたプロムを復活させて欲しいという要求は通りませんでした。
生徒の親がプライベートなプロムを計画しているものの、このプロムにコンスタンスさんは招待されていないそうです。仲のいいお友達数人を除いては、「彼女のせいでプロムがキャンセルされた。」と彼女に腹を立てている生徒も多いそう…。
でもこの学校側の余りの仕打ちに、アメリカ中のメディアが彼女のストーリーを取り上げ、エレン・デジェネレスは自分のトークショーに彼女を招待↓奨学金として3万ドルを贈りましたv
エレンらしい、とっても優しくて、そして力強い言葉で、コンスタンスさんを励ましていて、つい泣かされてしまいます…(涙)
「黙っていることの方が簡単だし、自分の権利のために闘うのはとても勇気のいること。」
エレンの言うとおり、大人でも周りのプレッシャーに負けて妥協することばかりなのに、この子の勇気には本当に感動します。学校中から冷たい目で見られながら、学校に通い続けることが18歳の女の子にとってどれだけ勇気のいることか…。
「他の生徒はあなたの味方をすべきで、あなたを攻撃するべきじゃない。生徒全員がプロムをキャンセルすることに反対して、あなたの参加を認めるべきだと主張すれば、プロムがキャンセルされることもなかったはずよ。」
というエレンの言葉が、一人でも多くの生徒や先生に届くことを願います。
幸いコンスタンスさんには彼女をサポートしてくれるお友達も家族もいて、お父様は初めてTVに出演する彼女を観客席から見守ってくれていましたv(←青いシャツに黄色のタイの男性)
「自分が高校生の頃にはとてもそんな強さはなかった。あなたはシャイ(恥ずかしがりや)な方よね。それなのに自分自身を曲げないで、正しいことをする勇気を持ってる。本当にあなたのことを尊敬するわ。」
"You gonna make a lot of change. You really will.”
「あなた(のしたこと)は色んなことを変えるわよ。きっとそうなるわ。」
そうエレンが言っていますが、本当にこの一人の女の子の行動が、さっそく別の男の子に勇気を上げたようですvv
デリック・マーティンくん↓は、コンスタンスさんと同じ、アメリカ南部にあるジョージア州の高校に通うゲイの男の子。
彼はコンスタンスさんのことを知って、自分の高校のプロムに彼氏を連れて行く許可を求めました。
学校側もコンスタンスさんの事件を知っていたのでしょうか、すんなり彼に「イエス。」と言ってくれたそうですvv
彼の場合はでも親がダメダメで、このことがメディアで取り上げられて公けになってから、彼は親に家を追い出されてお友達の家に寝泊りしているそうですが…。
それでもアメリカの超保守的な地域で、次の世代が確実に周りを変えていこうとしているって素晴らしいなあって思いますv
エレンが言ってるように、時にはblatant(露骨に)、時にはsubliminal(潜在的に)、人はこうあるべきだ、というイメージが常に色んな媒体を通して押し付けられます。
別にLGBTの子供達だけじゃない、そのイメージと合わない自分に苦しい思いをするのはヘテロの大人だって同じ…。
でもその「人と同じであるべき」という考え方が自分の権利を侵す時、自分がそれによって“less than”劣った存在とみなされる時、それに立ち向かってNOと言える勇気があるかどうか…?
黙って頭を下げてやり過ごそうとしていないか…。
どうしたらそんなに強くなれるのかな?
彼女の勇気の半分でも欲しい、つくづくそう思わされました。
頭を上げて誇りを持って生きられる人に祝福を。
心から尊敬します。あなたのようになりたいと願う…。
2010/03/24 22:01 | ニュース・その他 | COMMENT(9) | TRACKBACK(0) TOP