アメリカの州ごとのゲイライツ
ノース・カロライナが今日の州民投票で、州憲法によって同性婚を禁止するアメリカで30番目の州になりました。
これまでにも州民投票、つまり多数決でゲイライツが勝利したためしはありませんが、ノース・カロライナは60%以上が同性婚禁止に票を投じたということで、結果が出るのが早かったですね;
アメンドメント1というこの条例が通ったことで、もうすでにノース・カロライナには同性婚を禁じる法律がありながら、州憲法でも同性婚を禁じることが明記され、さらにはシビル・ユニオンやドメスティック・パートナーシップ等の事実婚も禁じる、という徹底したゲイライツの剥奪がなされることになります。
男女であっても結婚していないカップルから、財産分与の権利、パートナーのために入院その他の手続き・決定を行う権利、等々の基本的な権利を奪うことにもなり、この結果、様々な訴訟が起こる可能性があると言われています。
コロラドではシビル・ユニオンを合法化しようとしていますが、共和党の議員によってブロックされている状態だとか…。
相変わらず平等の権利に関しては亀の歩みのアメリカですが、副大統領のジョー・バイデンが一昨日、同性婚を全面的に支持すると発言したことによって、オバマ大統領自身にも同性婚支持を表明するようプレッシャーが高まっています。
“Look, I am Vice President of the United States of America. The president sets the policy. I am absolutely comfortable with the fact that men marrying men, women marrying women and heterosexual men marrying women are entitled to the same exact rights. All the civil rights, all the civil liberties. And quite frankly I don’t see much of a distinction beyond that.”
「自分はアメリカ合衆国の副大統領で、政策を決めるのは大統領だ。自分としては男同士、女同士、男女間の結婚に同等の権利が与えられるべきだということに全く問題を感じないし、全ての公民権そして人権が与えられるべきだと思う。正直言って、それ以外に差があるとは思えないね。」
普段はほとんど存在感のない(汗)副大統領ではありますが、このきっぱりしたステートメントはかなりニュースになりました。
とはいえ、再選されなければ元も子もないというわけか、ノース・カロライナのアメンドメント1には遺憾の意を表明した大統領ですが、今のところ同性婚の問題そのものに関しては明言を避けています。
どうせホモフォブの保守派は民主党の議員、ましてや大統領には絶対投票しないんだから、この際、
「再選のあかつきには平等の権利を保障し、LGBTに対する差別やハラスメントの撤廃を目指す。」
くらいなことは言って欲しいですね!
そしてこちら↓が、 UKのガーディアンに載っていた、アメリカの州ごとのゲイライツ事情。
画像クリックで大きくなります^^
地区ごと、そして州ごとに分かれたゲイライツのカテゴリーごとの分かりやすいまとめ。
円の外側から、結婚、病院での面会権、養子縁組、雇用、賃貸、ヘイトクライム、学校。
色が濃いとNYのように真っ赤で同性婚が合法の州となります。
ちなみにカリフォルニアは円の内側から、学校で性的指向やジェンダーに基づく苛めや差別を禁じ、LGBTを対象とした犯罪をヘイトクライムと定め、性的指向やジェンダーに基づく賃貸そして雇用上の差別を禁じ、同性カプの養子縁組を許可し、同性パートナーの病院での面接権を認めるという、ほぼ完璧な法律上のプロテクションがありながら…
Prop 8によって、同性婚だけは州憲法により禁止されています;
でもドメスティック・パートナーシップは認められているため、中途半端なピンクの縞々模様に…。
エリアごとに見ると、やはりイーストコースト、北東部はゲイライツに強いですね。とてもカラフル♪
それに比べて、南部はほとんど色が無い状態…;;
アメリカは見事に分断された国だというのがよくわかります。
この引き裂かれた国を、それでも纏めていかなければいけないというのに、保守派は頑ななまでに一切の歩み寄りを拒んでいる状況で、これでもしオバマ大統領が再選されなかったら、一体どうなることやら…(;´ρ`)
今年の選挙は4年前より更に大事かもですので、また自分の一票を大切に、よく考えて投票したいと思いますvv
追記:
まるで私の声が聞こえたかのように(笑)、今日になってオバマ大統領がABCニュースのインタビューで同性婚支持を表明されました。
" I've just concluded that for me personally it is important for me to go ahead and affirm that I think same-sex couples should be able to get married…”
「同性のカップルが結婚できるようになるべきだと私が思っていることを、確認することが個人的に大切だという結論に達した。」
という非常に微妙な言い回しではありますが、選挙を控えたアメリカ大統領が「個人的」であれ何であれ、政治的リスクを計算したうえで同性婚支持を表明されたことは、アメリカのこれからを占う上でとても大きなステップだと思いましたvv
2012/05/08 21:45 | ゲイ婚 | COMMENT(4) | TRACKBACK(1) TOP