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最高裁でProp 8審理

いよいよ今日、アメリカの最高裁判所でProp 8の審理が行われました。

327Supreme_Court_Prop_8
(最高裁前で入り乱れてデモンストレーションを行う同性婚支持派、反対派の方々)

裁判所の前には先週末からこの歴史的な審理を傍聴しようと雪やみぞれが降る中、沢山の人が寝袋持参で数夜を徹して並び、中には数千ドルというお金を払って並んで貰う人もいたとか。

私も、いよいよ現在アメリカで最も注目されている公民権運動に司法の判決が下るのか…とわくわくドキドキしていたのですが…。

どうも今日の審理を聞く限りでは、最高裁の判事の殆ど、特に票の行方を決めると言われるケネディ判事が決定的な判決を下すことに酷く消極的という印象を受けました。

ネット上でその模様をお聞きになった方はお分かりと思いますが、80分の審理の殆どが「結婚は男女間のみに許される」かどうかについての肝心の論点ではなく、カリフォルニア州知事をはじめとする、本来Prop 8を擁護すべき立場の州政府の人間が誰一人Prop 8を認めてもいなければ裁判に参加もしておらず、だとすればそもそもこのProp 8の被告達に法廷でカリフォルニア州民を代表して争う権利があるのかという点に費やされていました。

ケネディ判事はまた、「2000年以上の歴史の重みに対し、5年の情報しかない同性婚は社会学的に情報が新しすぎる」とも言っていて、これもまたこの問題について軽々しく結論は出したくないという彼の意向を示しています。

とはいえ、同判事はまた同性カップルの子供達が今現在同性婚が合法化されていないことで辛い思いをしていることも事実としていて、Prop 8をこのまま認める判決を出す可能性もかなり低いと思われます。

この問題は今日のトップニュースだっただけに、沢山の法律家の方々が様々なメディアで最高裁の審理についての意見を述べておられましたが、大体こちらの記事のような意見が多かったです。

つまり、法律的には5つの判決が可能。

1. アメリカ合衆国憲法に基づき、50州全てについて、同性婚を合法化する。

理想的な判決ではありますが、これはまずない、多分ない、というのが殆どの方のご意見。今日の審理を聞く限りでは確かにありそうもない感じがしました;

2. アメリカ合衆国憲法に基づき、50州全てについて、同性婚を非合法化する。

最高裁判事全員が原因不明の高熱で急に頭がおかしくならない限り、この判決はないでしょう。もしそんなことになったら間違いなく暴動勃発。考えたくもない。

3. シビルユニオンを結婚とする

カリフォルニアのようなドメスティック・パートナーシップ、またはシビル・ユニオンで同性同士の結びつきに結婚と事実上同等の権利を認めている州の全てで同性婚を合法化する。

今日の審理が始まる前は、アメリカで同性婚支持が過半数を超え、若い世代ほど更に増える傾向を考慮して、最高裁の判決もこの辺で落ち着くのではないかと言われていました。

つまり、最近シビルユニオンが合法化されたコロラドを含め、カリフォルニア、デラウェア、ハワイ、イリノイ、ネバダ、ニュージャージー、オレゴン、ロードアイランドの9州で同性婚を合法化するという判決。

この場合、既に同性婚が合法化されている青の州(ニューヨーク、コネティカット、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、バーモント、アイオワ、ワシントン、メリーランド、メイン)と合わせて、一気にアメリカの1/3を超える計18州で同性婚が合法化されることになります♪

327Supreme_Court_Prop_8_Map

そうなると、後は残り32州が徐々に同性婚を合法化していってその合計が過半数、もしくは2/3を超えたところでもう一度最高裁で審理を行い、その時点で同性婚を一気にアメリカ全土で合法化!

これがあり得るシナリオの中で一番理想的と言われていたんですが、今日の審理を聞く限りどうやらそれもなさそうな気配…。

ということで、残り二つの可能性は今回の最高裁での判決をカリフォルニア州のみに限って狭義に適応するというもの。

4. カリフォルニアの同性婚を守る

カリフォルニア州の最高裁で2008年に既に同性婚を合法化する判決が出ていることから、その権利を州民投票によって剥奪することを認めないとする判決。

他にも、カリフォルニア州では1999年にドメスティック・パートナーシップが認められ、それ以来ずっと同性間の結びつきを州法によって守ってきたこと、州議会でも何度も同性婚が認められていること(シュワ知事によって2度拒否権を発動されて潰される)などその長い歴史と特殊性を考慮し、カリフォルニアに限って同性婚を認めるという可能性は大きいのではないかと言われています。

5. 控訴を認めずカリフォルニアの同性婚を合法化する

これが何となくすっきりしない、ぶっちゃけ最高裁が逃げを打つパターン。

カリフォルニア政府がProp 8を擁護しない以上、Prop 8を弁護する側に州民を代表して法廷に立つ権利がないとして、この控訴裁判そのものを無効とする。

この場合、控訴審の判決も同時に無効となり、連邦地裁の判決、つまりウォーカー判事のあの素晴らしい判決に基づいてカリフォルニアの同性婚が合法化されることになります。

これだと最高裁が同性婚に関する判例を作ったことにならないので、ちょっと残念な気はしますが、それでもゲイライツ、そしてアメリカの公民権運動にとって勝利であることは間違いなく、喜ぶべき結果には違いありません。

まして、明日の審理の結果、DOMAが違憲とされれば、アメリカ最大の人口、そして多数の移民を抱えるカリフォルニアで同性婚が合法化されることの影響は計り知れず、これを受けて周辺の州でも同性婚を合法化する動きが出ることはまず間違いないと思われます。

例えば、シリコンバレーのハイテク企業を盗もう…いえ、誘致しようと必死のテキサスなんかは、そのうちLGBTの権利を守る法律なくしてそれは不可能だということに気づくかもしれませんしね(笑)


とまあ、ごちゃごちゃ書きましたが、実際のところ審理を聞いただけでは実際に判事達がどう投票するかは予測不可能ということで、この5つのパターンのうちどれも絶対にないとは言えないのが怖いところ。

判決が出るのは早くても6月ということなので、少しでも良い結果が出ることを心待ちにしていますv


追記:

今日、3月27日は最高裁でDOMAの審理が行われました。

時間がなくて実際の審理は聞いて(読んでも;)ないんですけど(汗)、ニュースを聞く限りでは、リベラル派の4人の判事に加え保守中間派のケネディ判事を合わせた過半数5票で、予想通りDOMAは違憲判決が出る、少なくとも無効とされるのではないかということ。

カリフォルニアのProp 8の場合と同じく、ゲイフレンドリーなオバマ政権が本来被告となって弁護すべきDOMAに反対の立場なので、それを理由にこの裁判そのものを無効とする可能性もゼロではないらしいのですが、そうなると現状維持でDOMAが継続することになるので、何とかここで潰しておいてもらいたいです!

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タグ : ゲイレズビアン同性婚カリフォルニア結婚米最高裁SCOTUS

2013/03/26 21:25 | ゲイ婚COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

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