今日は聖パトリックデーでした。 3月17日はアイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日で、本国のアイルランドはもちろん、世界中のアイルランド系移民の間で盛大にお祝いされるアイルランドの祝日です。 ご存知のように、アイルランドはキリスト教徒、中でもカトリック教徒が人口の90%近くを占める国で、イギリスの支配下で長い間弾圧を受けながらも信仰を持ち続けたカトリック教国。 そのアイルランド・カトリック教会の頂点に立つブレイディ枢機卿が、聖パトリックデーの今日、35年前に子供を性的に虐待した神父の隠蔽に関わっていたことに対し、北アイルランドの大聖堂で信者を前に謝罪を述べました。
"I apologized to those who have suffered as a result of abuse in the past and particularly, I apologized to those who due to my failures in the past have suffered," he said.
「過去の虐待の結果苦しんできた人々に、特に私自身の過ちのために苦しんだ人々に対して謝罪します。」(
Voice of Americaの記事より )
ブレイディ枢機卿の謝罪は、1994年に逮捕、裁判で有罪を宣告されたスミス牧師の事件に関わる。スミスはアイルランドだけでなくアメリカでも教区の少年、少女を長年に渡ってレイプし続け、その罪で服役中、1997年にアイルランドの刑務所で死亡している。
1975年に教会幹部だったブレイディは、スミスが行ったとされる虐待の捜査に関わっていた。しかしブレイディはスミスの犠牲者の二人と会った際、警察に知らせるどころか、二人の少年にこのことを秘匿すると誓う文書に署名するように指示していた。
バチカンではローマ法王ベネディクト16世が、「この危難について深く憂慮している。」と述べた。
このスキャンダルに関してアイルランドのローマンカトリック教会に教書を送るつもりだ、と法王は信者の前で述べた。
「どうか広い心と信仰を持って、この教書を読んで欲しい。これが懺悔と癒し、再生のプロセスの助けとなることを願っている。」
(画像↑は赤帽子のブレイディ枢機卿と法王。)
前にも書きましたが、その法王自身、2001年に世界中の司教に対し、神父による子供への虐待を外部に漏らさないように、という指示を秘密文書(
Crimine solicitationies )の形で送っています。
さらにはドイツのミュンヘン教区で行われていた虐待の隠蔽に、当時ミュンヘンの大司教だった法王が関わっていたというスキャンダルも浮上。(『
ロイターの記事 』より)
レーゲンスブルクの聖歌隊の指導をしていた法王の兄↓は、「怠け者の聖歌隊の男の子を小突いたことがある。」と認め、「サディスティックで性的な虐待」を知りながら隠蔽に関わっていたとして、証言を求められているそうです。
ついこないだは、法王のアッシャー(案内係)に男娼を斡旋していたバチカンの聖歌隊のメンバーが摘発されたばかり。
デイリーショーっていうニュースの風刺番組では、ホストのジョン・スチュワートがこの件に関して、散々カトリック教会を皮肉っていました。
それによると、法皇様の案内係のお好みは、背がとーーーっても高い黒人のキューバ人の若者…二人まとめて…。
アイルランド系であるケネディ家のパトリック・ケネディ議員が「女性の選ぶ権利(中絶の権利)」を支持しているとして、教会での聖体拝領の儀式への参加を禁止したり、両親がレズビアンだからという理由で子供達を学校や幼稚園から退学させたりしているカトリック教会。
もちろん同性婚には断固反対。コンドームを燃やしたり、アフリカでのAIDSの蔓延にも大貢献。
( ̄△ ̄;)
アイルランドは今、大変な経済危機で、このアイルランド最大の祝日にも主な政治家はアイルランドを留守にし、世界中を飛び回って、各国の首脳に経済支援を求めているそうです。
コウエン首相も今日、お土産を携えてホワイトハウスを訪問し、オバマ大統領と対談したそう。
この際だから、ずっとローマカトリック教会に忠実だったアイルランドのために、バチカンからドーンと財政援助して上げたらどうかと思います。
最低でも35年間は無利子でね…。
衣装と帽子代を節約すればかなり経費が浮くはず?
( ̄▽ ̄;)
暗いニュースになりましたので、最後はお花を食べる可愛いウサギさんで癒されて下さい(_)
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タグ : 聖パトリックデー アイルランド ブレイディ枢機卿 虐待
コメント
(><)
はぁぁぁ~
こういう記事読むと本当にため息しかでません。
子供に対する性犯罪(もっとも憎むべきこと!!)
を隠蔽して秘密にする文書にサインさせていただなんて。
完全に犯罪だから起訴すべきです。
その様な動きはないのでしょうか?
自分でも調べてるのですが英語力がなんとも。。
ご存知でしたらソースだけでも教えて頂けますか?
B16をはじめとするバチカン老人組って頭も身体も
半分死んでなおかつ犯罪隠蔽(これって犯罪犯しているのと同じ)しているのに、
同性婚、ゲイ差別、避妊反対だなんてどういう頭の構造してるんか?
って怒りしかないです。
こんな人達の発言をまともに受ける人や団体があるのも
信じられません。
故意に隠蔽しているのか、情報が伝わっていない(あり得ないですが)
か、私の時々行く教会では残念ながらこれらの話は
説教にも会話にもでてこないです。
が、おおむねバチカンの声明は直接関係のある儀式の仕方以外は
聞いてないって態度が多いです。
蛍さまいつも大変興味ある記事ありがとうございます。
No:1648 2010/03/19 07:26 | yupi #Oe9oLLJs URL [ 編集 ]
yupiさん、こんばんは
ここへ来て、今まで声を上げられなかった被害者の方が次々に名乗り出られ、今や津波の勢いと言われています。
おっしゃる通り、もはや単なる謝罪だけで済まされることではありません。
それなのに、このブレイディ枢機卿は辞任の要請すら拒否していて、
「自分はあの時、上からの指示に従っただけ。」
という、ニュルンベルク裁判のナチス高官とそっくりの言い逃れをしているそうです。
http://edition.cnn.com/2010/WORLD/europe/03/16/ireland.catholic.abuse/
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/03/19/AR2010031902806.html
(今日のニュース、リンクを貼ってみました。)
B16(一瞬何?って思いましたw)の辞任を求める声も上がっているそうですけど、私も老人組(笑)を幾ら入れ替えてもダメな気がします。
結局は同じようなことをしている人間がまたトップに居座るだけですよね…。
ここまで大きくなったら、宗教組織と言えども会社と同じようにトランスペアレンシーを持つべきで、この際、外部の監査を入れて徹底的に虐待を行った(あるいは今現在も行っている)神父を炙り出すべきだという声もあります。
直接の被害者の方とご家族だけでなく、どれだけ沢山の一般の信者の方も傷つけてきたかを考えたら、ほんとにそのくらいやって誠意を見せるべき!
アジア圏に関しての記事はなかったのですけれど、カトリック教徒が爆発的に増え続けているアフリカ大陸では、今回のスキャンダルは何の影響も及ぼしていないと聞きました。
隠せるところでは隠し通そうというつもりでしょうか…。
こういうことはきちんと信者の方とコミュニケートして、そうすることで万が一こうしたケースがあった場合、直ぐに対応できる態勢を整えておくべきですよね。
こちらこそ暗い記事に丁寧なコメントありがとうございました(_)
No:1649 2010/03/19 20:37 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
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