最大の防御
今回はセルフディフェンス(護身術)について書いてみますv
色々と話が飛ぶ、というか何の一貫性もないブログで申し訳ありません(汗)
それに関しては既に言い訳する気もなくなってきたので、ここらで一つ諦めて頂ければ…。
(^-^;)
今回まずご紹介したいのは、“The Gift of Fear”(恐怖というギフト?)っていうタイトルのご本。

著者のギャヴィン・デ・ベッカー氏は警備のコンサルティング会社を経営される傍ら、司法省のアドバイザーを務めたこともある暴力防止の専門家で、子供の頃には、父親による家庭内暴力を体験されています。
この著書では、彼がこれまでの経験を通して学んだ様々な暴力から身を守るためのテクニックを、具体的な例を挙げて分かりやすく教えてくれていますので、要点だけを以下、本の中で最初に挙げられていた例を参考に書いてみます。(原文はこちら)
その女性は人気のないアパートの階段を、持ちきれない程のスーパーの紙袋を抱えて上ろうとしていた。アパートの入口の鍵が掛かっていないことには気が付いていたけれど、そういうことは以前にもあったから、自分が入った後できちんと鍵を閉めると、それ以上深く考えずに階段を上り始めた。
でも階段の途中で紙袋が破れ、中身が階段を転がり落ちた。するとちょうどその時、優しそうな青年がそれを拾いながら階段を上って来て、彼女に手助けを申し出た。
何となく嫌な感じを受けた彼女は、青年の助けを一端は断った。しかし強引に紙袋に手を伸ばされ、結局は青年にそれを部屋まで運んで貰う。その間、青年は何故自分がたまたまそこに居たのかということについて、聞かれてもいないのに説明を始めた。
自分の部屋まで来ると彼女は青年に礼を言って帰って貰おうとした。だが彼はしつこく部屋の中まで荷物を運ぶと言い張る。親切そうな彼に疑いを抱く自分に微かな罪悪感を感じ、彼女はとうとう彼を部屋に入れた…。
この親切そうな若者はでも、彼女の前の犠牲者をレイプしてから刺し殺している、凶悪な犯罪者だったのでした。
彼女の部屋に入った後、彼は数時間に渡って彼女をレイプします。その後、彼は服を着ると部屋の窓を閉め、
「直ぐに出て行くから動くな。そのままジッとしていろ。」
そう命令します。でも彼女は、その時彼が嘘をついていること、自分に更なる危害を加えようとしていることを本能的に「知って」いました。
彼女はそっと彼の後ろについて寝室を抜け出すと、そのままアパートを抜け出し、近所の人に助けられて警察を呼びます。
最終的に彼女の命を救ったのは、「恐怖という本能」もしくは「直感」だったと著者は言います。そしてもし、彼女がその本能が知らせてくれるサインにもっと早く気が付いていたら、全ては避けられたはずだと…。
以下は上記の例を元に著者が上げる、こういう場合に見過ごしてはいけない、危険なサインの例。
①FORCED TEAMING「強制的な仲間意識」
被害者の女性と話す時、加害者は“we”という言葉を使いました。これは「僕」や「君」でなく、「我々」という言い方をすることで、相手と小さな信頼関係を築く計算づくのやり方。
彼女が落としたキャットフードの缶を抱えながら、「僕らが早く行かないと、猫がお腹を空かせていると困るからね。」という調子。こうして「仲間意識」を育てるのは、詐欺師の常套手段でもあるそうです。
②CHARM AND NICENESS「魅力と感じの良さ」
アパートの階段の隅に隠れて犠牲者を待ち受けていた青年は、彼女の前に微笑みながら優しそうな顔で現れます。
この場合、「魅力」や「笑顔」はそれと気づかせずに他人をコントロールし、①の「強制的な信頼関係」を築くための手段。犯罪者にとって「魅力」は獲物を得るための武器に過ぎず、笑顔の魅力的な人がイコール安全な人間ではない、寧ろ逆の可能性が高いということです。
③TOO MANY DETAILS「細かいところまで出来すぎた話」
缶詰を拾ってくれた彼は、彼女に向かって聞かれてもいないのに、「友達を訪ねてきたけど遅刻しそうなんだ。僕のせいじゃないよ。時計が壊れていたからなんだ。だから僕ら急がなきゃ。」そう説明します。
嘘つきは自分の言葉が嘘に過ぎないと知っているから、それを誤魔化そうとひたすら話し続ける。聞かれもしないことをベラベラ喋り続ける相手がいたら、「一体自分に何を信じ込ませようとしているのか?」と疑ってかかるべき。
④TYPECASTING「相手を決め付ける」
彼女が彼の助けを断った時、彼は彼女が抵抗したくなる言葉で彼女の性格を決め付けます。
「(人の親切をむげに断るなんて)傲慢なんだね。」
はっきりそうと意識していないにしても、自分についての彼の言葉が間違っていると証明するために、結局彼女は彼に荷物を渡します。もちろん彼の言葉には何の意味もありません。彼はただ、状況を思い通りにコントロールするために、彼女自身が嫌がる言葉を投げつけただけだから。
⑤LOAN SHARKING「高利貸し」
彼女が頼んでもいないのに、彼は落ちた缶詰を拾いながら現れました。この親切の押し売りによって、彼女は彼に借りを感じてしまいます。
知らない人間が向こうから親切そうに近づいてきたら、相手に何らかの目的があることを疑ってかかること。
相手は単にあなたのメアドを手に入れたいだけかもしれない。ちょっと話をしたがってるだけかもしれない。でもひょっとしたら小さな親切の代償に、あなたから何もかも奪おうとしている可能性がある…。
⑥THE UNSOLICITED PROMISE「自分から進んでする約束」
彼女が彼を部屋に入れるのを断った時、彼は「この荷物を置いたらすぐに出ていく。約束するよ。」と言っています。
もちろん、こういう場合の口先の約束には何の保証もなく、単に相手を油断させる手段に過ぎません。
だからこういう時は逆に、「どうしてこの人は私に信用してもらいたがっているのか?」 という疑問を抱くこと。
彼女をレイプした後で彼がもう一度、「もう何もしない。直ぐに出て行く。約束するよ。」と言った時、今度こそ彼女はその言葉の裏に潜むサインを見逃さず、殺人の犠牲者になることを免れています。
⑦DISCOUNTING THE WORD “NO”「“NO”という言葉を無視する」
彼女を襲った男は、彼女の“No”という拒否の言葉を何度も無視しています。
最初に「手伝おうか?」と聞かれた時も、「紙袋を持って上げる。」と言われた時も、部屋まで荷物を運んで上げると言われた時も、彼女は一度は必ず“No”と言っているのに…。
“No”という短い言葉は本来、「交渉の余地のない言葉」だと著者は言います。そしてそのはっきりした拒絶を無視する人間は、あなたをコントロールして思いのままにしようとしている人間だ、と。
犯罪者は常にイージービクティム、「簡単な犠牲者」を探しています。直ぐにコントロール出来てサブミッシブな(服従)状態に出来る犠牲者が一番理想的。
相手の申し出を一度は拒否しておきながら、もし押しに負けて最終的にその申し出を受け入れたら、それは犯罪者から見れば、あなたが抵抗の意思の弱い、「理想の獲物」である証明になるかもしれない。
女性は特に「相手にどう思われるか。」ということを気にするため、危険な犯罪者のペースに乗せられ、付け込まれることになることがあるそうです。
攻撃は最大の防御って言いますけど、もちろん最大の防御はそんな攻撃が必要になるような状況に陥らないこと。
「よく分からないけど何かがおかしい。」
そう感じたら、自分の直感を信じて、本能が教えてくれたサインを決して見逃さないようにしましょう。
特に向こうから親切そうに近づいてくる男には要注意!
そしてもし万が一、先制攻撃が必要な状況になったら、あくまで“No”と言い続けること、というのが私の護身術の先生のアドバイスでした^^
日本語の場合はなんて言えば良いのか?ですけど、英語の「ノー!」は呼吸法の上でも最適だそうで、「危ない!」と思ったら、向こうが攻撃に移る前に、「ノー!ノー!ノー!」って掛け声を掛けながら、「目と喉とタマと膝を狙え!」って言われたのは覚えていますv
Spike TVっていうケーブル局の番組で、最強の護身術として取り上げられて有名になったのがクラヴ・マガ(Krav Maga)ですけど、実は私も以前、元イスラエル軍のコマンディングオフィサーだった方が指導されるクラスを取ったことがありますv
ただジューイッシュセンター(ユダヤ系のカルチャセンターみたいな感じ?)で安く教えている人気のあるクラスだったんですけど、先生と一対一の指導が受けられなくて、生徒同士で型を練習させられたんです。それが素人同士じゃ危なくてしょうがない動きだったので止めちゃいました^^;
セルフディフェンスのクラスは、レクチャーも含めて2時間半程度、250ドル以上が基本で高いんですけど、やっぱり先生がきちんと手取り足取り指導して下さるクラスの方が好いですね。
私が取ったクラスの場合、男の先生が二人、ヘルメットはもちろん、全身にパディングをして完全装備で、生徒の私達のキックとかパンチを受けて下さいました。(こんな↓感じ)

先生が二人だったのは、襲ってくる相手が二人の場合を想定して。他にも相手が武器を持っていた場合の反撃の仕方とか、自分が倒れてからも反撃に移れる方法を実戦してみせて下さいました。
もちろん実際に襲われた場合、練習通りに上手くいくと限らないのは分かってます;
でもベッカー氏のご本にも書かれていましたし、護身術の先生も繰り返しおっしゃっていたのは、
「犯罪者はあえて難しそうな獲物を狙わない。」
ということ。
そういう意味で、自分に自信を付けるためにも、もしチャンスがあったら、こういう護身術のクラスは一度は体験してみて損はないと思います。(←日本にもあります…よね?)
ちょっとした武道家気分も味わえて、なかなか楽しいですしvv
そうそう、「本当は女性だけじゃなく、男にだってセルフディフェンスの心得は必要。」って先生がおっしゃってました。でも男性はとにかくこの手のクラスを取らないそうなので、男性の方も機会があったらぜひ^^
そう言えば昨年イギリスで、ドラァグクイーンに絡んだ酔っ払いが逆に殴り倒されるという、実に爽快なニュースがありました。
女装していたのは実はバッチェラーパーティーに行く途中のケージファイター達で、殴りかかってきた相手を一発でノックダウン!
落としたバッグを拾うと颯爽と去って行きますvv
ここまでカッコよくは無理としても、自分の身は自分で守る!その気概だけは持ちたいですよね!!
ヽ(`◇´)ゝ
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2010/04/24 08:06 | エロ語以外の解説 | COMMENT(12) | TRACKBACK(0) TOP
コメント
うわぁあ怖い(;´Д`)
断ったら相手が傷つくかなとか思わずに
ヤな感じしたらちゃんと断るべきすね(;´Д`)
こないだ売店のオバチャンに
「ステキな財布持ってるねぇちょっと見せて。盗らないからぁ」
て言われた時
スゴ腕のスリなんかと思ってものすごい警戒しますたw
でもなんか↑のパターンそっくりw
本能てまだまだ捨てたモンじゃないと思うす
自衛しまつ!
No:1679 2010/04/24 18:51 | ベラ #mQop/nM. URL [ 編集 ]
こわいよ~
クラヴ・マガは私もずっとやりたくて仕方ないのですが(J.Loの映画「Enough」を見てから)、東京でしかクラスがなくて断念しました。
ホント、日本でも「わが身は自分で守らなければ」という雰囲気がますます高まってます。
でも感じいい青年だったら、「もしかしてコレって運命の出会い?(♪)」なんて単純な私は思ってしまいそう・・・。気をつけよっと!
No:1680 2010/04/25 01:15 | sunshine #khTh2OB6 URL [ 編集 ]
なんかすごい動画ですねw
ホント、終わるとスタスタと歩いて行っちゃうんですね。笑
No:1681 2010/04/25 11:44 | hiro #- URL [ 編集 ]
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No:1682 2010/04/25 19:47 | # [ 編集 ]
ベラさん、こんばんは
そうなんですよね!
こういうのは、詐欺師とか泥棒とか、人を騙そうとする人間にも共通してるみたいです;
「盗らないからぁ」ってわざわざ言われると逆に考える…^^
人を見たら泥棒と思え、って言ってるみたいであれですけど(汗)
でも怖い目に遭ってからじゃ遅いですから
おっしゃる通り、ヤな感じしたら、相手の気持ちよりまず自分の安全を優先させなきゃですよねっ。
お互い気をつけましょう!
No:1684 2010/04/25 20:25 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
sunshineさん、こんばんは
クラヴ・マガ、J.Loの映画にも出てきたなんて知りませんでした~。
確かに最強の護身術って言われてますけど、でもセルフディフェンスのクラスは大体同じようなコンセプトを取り入れているので、ちゃんとした先生ならクラヴ・マガでなくても大丈夫だと思いますv
残念ながら、日本でも絶対に安全とは言えないですもんね…。
けど用心しすぎると「運命の出会い」を逃すことも?!
これは難しいぞ!(笑)
No:1685 2010/04/25 20:26 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
hiroさん、こんばんは
ほんとすごい動画ですよねw
この後、酔っ払いの方は警察に逮捕されたそうですv
トランスジェンダーの女性やドラァグクイーンの方が襲われる事件が多いので、このニュースを聞いて「ざまあみろっ!」って思いました^^
No:1686 2010/04/25 20:27 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
ミョーに愛想のいい人って警戒しちゃいますね。
日本のゴーカン魔は一人暮らしの女性宅に窓から侵入するケースが多い気がします。やっぱ米国だからフレンドリー(ちょっと違うか?)に話しかけて家に上がりこむのか?
護身術は学校の授業で必須課目にした方がヨイのかも。
他人は守ってくれませんからね・・・。
あ。遅ればせながら画像頂戴しました♪ありがと~ございます★
No:1687 2010/04/26 16:01 | るぴこ。 #- URL [ 編集 ]
秘密のコメ様へ
でも「平和ボケ」って言えるのって凄く好いことですよねv
やっぱり言葉の通じない外国では気をつけた方が…;
その場合はシカトされて逆に良かったとか?
「案内して上げるから付いておいで。」なんて言う人の方が怖そう;;
そんなことがおありとは…。
確かに護身術はかなり体力的に大変!
次の日、確実に筋肉痛になりました(汗)
いえいえ、反省なんてとんでもないっ。
けいちんは弄られキャラなので、放っとかれると逆に寂しいですw
お察しの通り既にバテバテですので、彼も危険は最初から避けて通った方が無難…^^
でも気持ちだけは皆のパパなので、感動なんておっしゃって頂けて嬉しいです☆
(私の書き方がテキトーでした;企業の協力は不可欠だし、全て悪いというわけじゃもちろんないと思いますv)
No:1688 2010/04/26 20:52 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
るぴこさん、こんばんは
>日本のゴーカン魔は一人暮らしの女性宅に窓から侵入
ひゃあ、それじゃ窓にアラーム付けるとかするしかないですね;
うちの実家でも鍵を変えたり、色々やってるみたいですけど、そのくらいしないとダメなのかも。
アメリカの場合、元彼とか元夫に襲われるケースも多くて、そうなると家や職場が危険です;
おっしゃる通り、護身術を学校で教えてくれると心強いですよねv
いえいえ、こちらこそコメントありがとうございました☆
No:1689 2010/04/26 20:53 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
ブログへ訪問ありがとうございました!
コメントお返しするのが遅くなってしまいすみませんでした。
じつは、うちの相方もクラヴマガやっていたんですよ!4年程やって、いまはお休みしていますが…。
うちのブログの紹介、是非お願い致します。
これからもよろしくおねがいします!
No:1691 2010/04/30 00:25 | tot #- URL [ 編集 ]
totさん、はじめまして!
お返事ありがとうございましたv
相方さん、クラヴマガを4年もされてたなんて凄いですね!
少しお休みされていても、きっと身体が覚えていそう。
羨ましいですvv
ご紹介の許可もありがとうございました!^▽^
おかしなことばかり書いてるブロ愚ですが(汗)
もし宜しかったらこれからもヨロシクお願い致します☆
No:1693 2010/05/01 06:53 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
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