DADT
今日はメモリアルディの休日でした。
メモリアルディと言えば、爽やかな5月の連休を利用したバケーション、お庭でのバーベキュー、夏の大作映画の封切り、と楽しいイベントばかり思い浮かべますvv
でも本来メモリアルディとは、アメリカのために戦って命を落とした兵士の方々を追悼する記念日なのです。
ちょうど先週、首都ワシントンではゲイやレズビアンの兵士にカムアウトを禁じる法律、Don’t Ask Don’t Tell(DADT)の廃止に向けて下院で修正案が可決されたところ。
ということで、今回はまずDADTを風刺した漫画からご紹介です^^
なぜ軍はゲイの兵士を認めるべきではないのか?
「彼を撃つなんてムリ、だってとってもゴージャスなんだもん!」
(右派がゲイの兵士を認めない、笑うしかない373番目の理由)
喜ぶべきニュース。
「いいニュースだ!!もうすぐ君たちは、君たちの結婚を認めない国のために戦って死ぬ権利を手に入れられるよ。」
(DADTの廃止が検討中)
名誉ある軍人。
「彼は上等兵です。」
「そしてゲイです。」
「じゃあ軍人とは認めない、2流市民だ!!!」(蹴)
ゲイのベトナム帰還兵への追悼碑。
――――――――――
軍隊では二人の男を殺して勲章を貰った。
そして一人の男を愛したことで除隊された。
――――――――――
1943年6月6日生、1988年6月2日没
レオナルド・マットヴィッチ
・・・・・・。
こうなるともう笑えません;
こちら↓の男性は86歳で、第二次世界大戦に参戦された元アメリカ軍兵士の方ですが、メイン州で行われた同性婚を審議する傍聴会で証言されています(2009年4月22日)。
亡くなられた奥様との間に4人の息子さんがいて、4人とも兵役を勤められていますが、その息子さんのうちお一人がゲイだそう。
「自分はこの場にいて証言している。なぜならこの間、あなたはゲイとレズビアンにも同等の権利が与えられるべきだと思いますか?と聞かれたからだ。そんな質問をされること自体驚きで意味が分からない。私は彼女に聞いたよ。一体私が何のためにオマハビーチで戦ったと思っているのかね?何のために同胞が前線で命を落としたと?自由と平等のためにこそ命を賭けて戦う価値があるはずだ。」
「どんな理由でも人が同等の権利を与えられないということがあってはならない。この理念のためにこそ我々は闘った。例え人と違っていても皆と同等の権利を与えられる、それこそがこの国を守るべき理由だ。3人の息子には与えられる権利が、私のゲイの息子にだけ認められないなんて許されない。」
この方は対戦中、危険なヨーロッパ戦線に派遣され、過酷なノルマンディ侵攻作戦を生き延び、パリの解放にも立会われたそうです。
そしてダッハウのユダヤ人収容所では、特定の人間を差別し、劣った存在とみなすことがどんな怖ろしい結果をもたらすかを目撃した、あんなことを繰り返さないためにこそ、あの戦争があったはずだとおっしゃっています。
残念ながらお顔が見えませんが(汗)、こちら↓は最近、名門女子大、スミス大学の卒業式でのレイチェル・マドーのスピーチ。
彼女はカムアウトしているレズビアンのニュースキャスターで、自分のニュース番組では、LGBTの問題はもちろん、他にも様々な人権問題を取り上げてくれています。
このスピーチもとても面白いのですが長いので、最後の部分だけ簡単に要約させて頂きます^^
「どうしたら有名になれるか、お金を儲けられるか、自分に得になることは誰にでも簡単に分かる。でもそんな目先の損得だけにとらわれず、長い人生の終わりに、自分自身を誇りに思えるような選択をして欲しい。そうすれば偽りの発表をするホワイトハウスの報道官のように、ややこしい嘘を覚えておかなくてもすむでしょ?」
そして、これからスミス大学を卒業したエリートとして、アメリカ社会に出て行く女性達に呼びかけます。
“Do not just for your own life, but for the life of your Nation that it's still for all its challenges and its flaws in many ways the best hope on earth, the country that needs you and the best that you have to offer and your best judgement.”
「自分のためなく、この国のためにそうして欲しい。問題も沢山あるし、欠点だらけの国だけど、でも色んな意味でこの国は地球上で最良の希望なの。そしてあなたに出来る最大の努力、最良の判断を必要としている。」
番組の中ではアメリカの政治家の偽善を暴き、差別的な政策を批判することを躊躇わない彼女ですが、このスピーチを聞いて、それもアメリカ市民としての誇りと責任を感じているからなんだなぁって思いました。
“Best Hope on Earth”
彼女のような人が言うと、ただのプロパガンダではなく、一緒にそれを現実にしていこう、という積極的な意思表示に聞こえますv
アメリカを“best hope on earth”と言うことに反対の方も多いと思いますけど、でもやっぱりこの国ほど色んな人が受け入れられ、人と違う生き方が法律で保証されている国もなく、宗教に凝り固まった保守派がいると同時に、彼らを堂々と論破するレイチェルさんのような人がいて、色んな人がそれぞれの意見を持ち、それを表現することが認められている国もない。
そして基本的人権のために闘う、アクティベストと呼ばれる人がこれほど多く、懸命に活動している国もまた…。
「アメリカの理想」なんて初めから嘘だったと言ってしまうことは簡単だけど、それでは何の解決にもならない。
少なくともそれを信じて闘った人がいて、いまも色んな形で闘い続けている人達がいる。
特定のグループの人間の権利を奪うことは、そういう人達全ての思いを踏みにじることだから、それ以上に反アメリカ的な行為はないはずだし、アメリカ市民として、そんな政策や条例をサポートすることは絶対に許されないと思います。
声を上げる権利は誰にでもある。
沈黙を強制することは、その人の権利を奪うこと。
だから…
DADT 廃止を!
日記:
6月のプライマリーでは共和党のバレットを取り寄せて投票しましたw
プリマリーで共和党に票を入れても、本選では民主党候補に投票できるんですね~。お友達に教えて貰ったテクニック♪
どうせ放っておいても民主党はジェリー・ブラウン司法長官が知事候補になるはずだし、メグ・ウィットマンのような資金だけはある危険人物が彼の対立候補にならないために、ここで彼女の共和党の指名対立候補、スティーブ・ポイズナーに一票。
上院議員の方はどうしようか迷ったけど、トム・キャンベルにしてみた…。でもカーリー・フィオリーナの方が叩きやすかったかも;
HPでコントラクターをしていた友達が彼女を毛嫌いしてるのでつい…(汗)
これだけの人口のいるカリフォルニアからたった二人しか選出されない上院議員。絶対に民主党のバーバラ・ボクサー議員に再選してもらわなくてはっ!
彼女はずっとDADTの廃止にも積極的に取り組んでいらっしゃいますしねv
11月の本選ではマリワナ合法化も州民投票に掛けられるし、市民としてのせめてもの義務と権利を全うするために、また張り切って投票するぞおぉっ!!
2010/05/31 21:11 | ニュース・その他 | COMMENT(6) | TRACKBACK(0) TOP
コメント
ドキドキしました
本当に本当にアメリカの人は真剣に闘ってるんですね……!
ノルマンディーに上陸したお父さんのコメントが泣けます。自由と平等のために戦い、その権利が一人の息子にだけ認められないとは許さない。
またこの人の話を真剣に受け止める傍聴者がいる国なんですね……
日本人はなんのために戦ったと言えるのか。ううう。
選挙も真剣に考える甲斐があってうらやましいです。
日本はまた政権内で総理の座をまわしてます。
総選挙やっても、得票できなかった候補者が比例で生き残る国です。ふっ。
「HE'S GORGEOUS!」には笑いました。確かに戦う男にはゴージャスなのがいそうですw
兵士の愛が広がって戦争なくなるといいのにね。
「Discharge for loving one」は切なかったです……
硬軟とりまぜてすごく心に残る記事でした。
またよいお話を聞かせてください。
No:1748 2010/06/03 17:02 | misia2009 #- URL [ 編集 ]
DADT
コメント、めっちゃ熱くなって書いてたら(しかも長々と)、変なとこクリックしちゃって全部消えてしまった。シクシク。なので簡潔に書きます。疲れたし。。。
アメリカは私にとって憧れの国だし、“Best Hope on Earth”です。日本で一般的な86歳のおじいちゃんがゲイの息子の為に発言をするでしょうか?日本の人気キャスターがカミングアウトするでしょうか?それが出来るアメリカと言う国はやはり懐が広くて深い。
問題はあっても、世界の人々を受け入れ、平等に権利を与え自由に活動でき、さまざまなチャンスを与えてくれる国ですよね。ああ、今からでも留学したいなぁ。(エーゴが出来ないからムリだけど)
スミス女子大・・今はスミス大なんですね。アイビーリーグのようにセブンシスターズって名門女子大の中でも一番いいとこのお嬢様が行く女子大と言うイメージが私の中にあります。
アメリカの選挙事情。そして、政治家たちの様子、知りたいけど日本にはあまり伝わってきてません。興味津々です!
No:1749 2010/06/04 04:54 | 猫屋敷ふね #AQfJdVC2 URL [ 編集 ]
misiaさん、こんばんは
このお父さんのスピーチ、とっても感動的ですよね。
WWIIのヴェテランの方というと保守的なイメージがあって、スピーチを聞く前は同性婚に反対なのかと思っていたので余計に感動しましたvv
>日本はまた政権内で総理の座をまわしてます。
日本の選挙は難しいというか、総理大臣が直ぐ辞めちゃったり、内閣が総辞職とか、衆議院解散とか、何がなんだか分かりません(汗)
鳩山さんも辞めちゃったんですよね?
でも次も同じ民主党の人なんですか??
それで何か意味があるのか不思議…。
>総選挙やっても、得票できなかった候補者が比例で生き残る国です。
人に投票するんじゃなくて、党に投票するからそうなるんでしたっけ…?
遠い昔に授業で習ったような気はするんですけど、うろ覚えですみません(汗)
ほんと一番いいのは戦争がなくなることです!
一部の人間の利権のために戦争したり、世界中で紛争の種をまいたり、そういうことを止めさせたい…
こちらこそ、丁寧なコメントありがとうございました☆
No:1750 2010/06/05 07:24 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
ふねさん、こんばんは
せっかく書いて頂いたコメントが消えてしまったなんて?!(泣)
FC2の問題でしょうか…ほんとにすみません;
アメリカが経済的にも軍事的にも強大な国であることは間違いなく、だからこそ“Best Hope on Earth”になれるように努力し続けなくちゃいけないと思いますv
レイチェルさんが言うように、問題も多いし、欠点の多い国ですけど、諦めたらそれで終わりですもんね!
日本人はでもみんなかなり英語が出来ると思います^^
読み書きの基礎があるから、住んでいるうちに上達すると思う。
シャイな人ほど時間が掛かるけど、積極的な人は平気じゃないかな~。
私の知り合いで、子育てが終わってから旦那さんに「お疲れ様」留学に行っておいで、って言われて1年ほど留学してた人がいましたけど、楽しそうでしたv
こんなブログですが、今年も選挙が近くなったらゴチャゴチャ書くかもです(汗)
もし宜しかったら、また遊びに来て下さいねvv
No:1751 2010/06/05 07:27 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
はじめまして
DADTの事が知りたくて、検索ヒットしました。
残念ながら英語にはトホホなので、スピーチは聞き取れませんが、こういうブログがあることを知って嬉しく思いました。
No:1883 2010/12/03 06:29 | レッドクロウ #- URL [ 編集 ]
はじめまして
コメントどうもありがとうございました☆
検索して来ていただけたなんて嬉しいです♪
今のところ、DADT廃止はもう一歩のところで議会に阻まれていますけれど、また動きがあれば、と思っています。
No:1887 2010/12/07 21:16 | 蛍 #- URL [ 編集 ]
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